現行のフィルムスキャナ2機種とフラットベッドスキャナ1機種を使い、スキャン結果を比較してみました。 スキャン解像度は全て3000dpiに統一し、結果をフォトショップで縮小しています。解像感より主に色合いを比較しています。 またICEやdigital ROC などの処理は一切使っていません。クロップはEpson GT-X800(以下X800)のみ自動で、 Nikon CoolScan 5000ED(以下5000ED)とKONICA MINOLTA DIMAGE Scan Elite 5400II(以下5400II)は手動でクロップしています。 フィルムは全てネガカラーです。
梅小路蒸気機関車館 (JR西日本 京都市) 素材は8〜9年前に京都の梅小路蒸気機関車館の敷地内で撮影した もので、実際に走る機関車です。見ての通り天気は上々です。 まず右の5000EDは全体に少し青みがかっています。右側の白い線は 不用意に触ったために付いた指紋です。 下の5400IIは5000EDに比べるとナチュラルな感じですが、全体に彩度が 低く感じられます。 右下のX800は5000EDから青みを若干取り去った感じです。随所に 見られる白い線はフィルムに付いたホコリではなく、おそらくガラス面に 残っていたホコリではないかと思われます。なおこの線は今回は使用して いないICE(傷やホコリの痕跡を消すシステム)を使っても消えません でした。また、X800のみは自動でクロップされますが、横に比べると 縦方向のサイズが若干短くなる傾向があるようです。 3枚の比較では、色合いはX800が最も見栄えがしますが、サイズや ホコリ、それにスキャンにかかる時間などから5000EDのほうがトータル として良いように思われます。5400IIは露出が明るすぎるため後ろの 給水塔などが白飛びしているようです。 |
Nikon CoolScan 5000ED |
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KONICA MINOLTA DIMAGE Scan Elite 5400II | Epson GT-X800 |
時代祭行列 (京都市 御所近辺) 今から20年近く前に写した写真のネガをスキャンしたものです。京都三大祭りの一つ、「時代祭」の行列で、バックには快晴の秋空が広がっています。 左側の写真がそれぞれオリジナルになりますが、下の砂利道で判るように、5000EDが少し青かぶりを、X800が若干赤みがかった色合いとなって います。5400IIが一番元の色合いに近いと思いますが、やはり露出は少しオーバー気味です。 右の列は全てフォトショップの自動カラー補正をかけた結果ですが、5000ED、X800ともに色の偏りはうまく補正されているようです。5400IIも僅かな マゼンダの色かぶりは補正されていますが、露出オーバーは補正できないようです。手動で明度を下げるかコントラストをあげてやれば、もう少し 見栄えが良くなるかも知れませんが、飛んでしまった情報は取り戻せないでしょう。バックの白い雲も5000EDに比べると明らかに細かな部分が失われて います。結果5000EDの補正後の写真が最もきれいに出来ていると思います。 X800も悪くはないのですが、このサイズに縮小しても先ほどの「梅小路蒸気機関車館」と同じく白い細かな線が出てしまっています。 |
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Nikon CoolScan 5000ED | Nikon CoolScan 5000ED + Photoshop 自動カラー補正 |
KONICA MINOLTA DIMAGE Scan Elite 5400II | KONICA MINOLTA DIMAGE Scan Elite 5400II+ 自動カラー補正 |
Epson GT-X800 | Epson GT-X800 + Photoshop 自動カラー補正 |
左の画像はちょうど門の下あたりにいる人が持っているのぼりを、縮小を かけずに原寸大で比較したものです。左から5000ED、5400II、X800の スキャン結果です。やはり5000EDの画像が最もはっきり文字が読み取れ ます。5400IIは露出オーバーなためノイズは目立ちませんが、羽柴の文字が 白飛びのせいで若干つぶれています。X800にいたっては文字は何とか 読めるという程度、バックの緑もベタッとしていて、まるでビデオの映像から おこしたような絵になっています。今回は粒状低減など処理を行わなかった ので、ノイズが目立っていますが、処理をすればもっと見栄えのする画像に なると思われます。 ちなみに「羽柴秀吉」とは言うまでもなく「豊臣秀吉」が織田信長に仕えて いたころの名前で、前を歩くのぼりにも「織田公上洛行列」と記されています。 |